食品安全委員会は10月29日、ブラジルのカナビアリス研究所(CTC)が開発した害虫抵抗性遺伝子組み換えサトウキビ(CTC175−A)について遺伝子組換え食品等専門調査会での審議を決めた。
バイエルは10月30日、第3四半期の業績を発表。その中で米国でのラウンドアップ損賠訴訟の原告が、10月11日現在で約4万3千人に達したと発表した。裁判はカリフォルニア州の連邦地裁で併合審理されているという。
タイ国家有害物質委員会は10月22日、グリホサートなど危険な有害3農薬を12月1日からの禁止を正式に決定した。グリホサート、パラコート(除草剤)、クロルピリホス(有機リン系殺虫剤)の3農薬を危険であるとしてその禁止を求めてキャンペーンを展開してきたタイの環境NGOや消費者団体など686団体のネットワークの勝利だ。
米国・ワシントン州立大学の研究グループはこのほど、下水処理を通して環境中に放出された遺伝子組み換え作物に組み込まれた抗生物質耐性遺伝子により、細菌が抗生物質に対する耐性を獲得する可能性を示唆するとする研究結果を発表した。
EUは10月22日、ネオニコチノイド系農薬の一つであるチアクロプリドの禁止を決定した。同日開催された欧州委員会植物・動物・食品・飼料常設委員会 農薬部会(Phytopharmaceuticals )において、欧州委員会はチアクロプリドの登録を延長しないよう提案し、加盟国の承認得たという。この結果、チアクロプリドは2020年4月30日で失効する。
南アフリカ政府農林水産省は10月3日、モンサントが開発した干ばつ耐性・除草剤耐性・害虫抵抗性遺伝子組み換えトウモロコシ(MON87460 x MON89034 x NK603)が、モンサントのいうような収量がないとして承認しないとする最終決定を発表した。水が限られた条件下では収量が一定せず、従来品種より少ない場合があったという。
EU委員会は9月30日、欧州農薬行動ネットワークなど7つのNGOによる「蜂と農民を救え! 健康的な環境のためのハチに優しい農業に向けて」と題する市民発議を登録した。この市民発議では、2035年までに合成農薬を段階的に廃止し、生物多様性を回復し、移行期にある農業者を支援するための法律を提案するよう求めるというもの。1年間にEU加盟国の市民100万人の署名で有効となり、EU委員会と欧州議会は市民発議に対応する法的な義務を負う。
ラウンドアップによる健康被害をめぐって、全米で1万8千件以上の損害賠償訴訟が起こされているが、オーストラリアでも2件のラウンドアップによる健康被害に対する賠償を求める訴訟が起こされている。
2004年に発効した食料・農業植物遺伝資源条約(ITPGR)は、この11月11日からローマで、遺伝資源へのアクセスと利益配分の運用を主な議題として第8回全体会議を開催する。この会議に対してアフリカ生物多様性センター(ACB)と第3世界ネットワーク(TWN)は、遺伝資源を提供する先住民や農民の立場に立った交渉を要求するレポートを発表した。
タイはグリホサートなど3農薬の年内禁止に向かっている。タイの環境NGOや消費者団体などが求めてきたグリホサートなど危険3農薬の禁止に関し、政府、輸入業者、農家、消費者からなる作業部会は10月7日、12月1日からの禁止について満場一致で合意した。最終的には、全面的な禁止に抵抗してきた国家有害物質委員会の決定に委ねられているが、禁止決定は楽観視されているという。この禁止へ向けた決定は、タイの市民によるキャンペーンの成果。グリホサート禁止は、東南アジアでは今年3月のベトナムに続くもの。
- ネオニコ系国内出荷量 21年度3.8%増 第二世代は63%増
- 有機農業は排外主義に与しない 参政党に反対する農民と市民が声明
- 冊子『スルホキサフロル 新しいネオニコチノイド系農薬』刊行のお知らせ
- ネオニコ系イミダクロプリド 自閉スペクトラム症様の視知覚障害を引き起こす
- 厚労省:グリホサートの残留基準値を大幅緩和を告示
- メキシコ GMトウモロコシ栽培を禁止 24年までに輸入も段階的に禁止
- 東アジアは農薬のホットスポット 日本はトップ5
- 農薬再評価 ネオニコとグリホサートなど優先14品目を告示
- 米国産ジャガイモ 輸入規制緩和 ポストハーベストも認める
- 輸入小麦の残留グリホサート 豪州産の検出率急増