最終更新日:2020年6月28日
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2020.06.28 No.1044
■環境省 農薬登録評価に野生ハナバチを追加 原体で評価は変わらず
Bumblebee_9630.jpg / Flickr
ナタネにやってきたマルハナバチ / C.R.Hamacher / Flickr

 環境省は6月26日、中央環境審議会土壌農薬部会の「生活環境動植物に係る農薬登録基準の設定について(第二次答申)」を受けて、農薬登録にかかる影響評価に、日本ミツバチやマルハナバチなどの野生ハナバチ類を加えることを決め、「本答申を踏まえ、野生ハナバチ類に係るリスク評価を行い、農薬登録基準を設定するため、所要の手続きを進めることとしています」と発表した。

 毎日新聞は同日、「ミツバチ大量死の一因と指摘されるネオニコチノイド系農薬への規制を強化するため、環境省は新規に登録される農薬の安全性審査の対象となる影響評価生物に、野生のミツバチを追加する方針を固めた」と報じた。

 ・環境省, 2020-6-26  ・毎日, 2020-6-26

 答申では、野生ハナバチ類に対する基準値の設定について、「評価対象農薬の原体を被験物質とする」と明記し、製剤としての評価はしないとしている。

 意見公募で提出された製剤での評価を求める意見に対して、「農薬の毒性は主に有効成分によるものが大きいと考えられることから、環境大臣が定める農薬登録基準は、農薬原体を用いた試験成績を基に定めています」として退けている。

 補助剤を含めた製剤での影響に関して、ロンドン大学の研究チームは2018年、補助剤が主成分より毒性が大きいとする包括的なレビューを発表している。そこでは、住友化学のクロチアニジン製剤(Apache 50WG)のオオミジンコに対する毒性は、クロチアニジン単独よりも46.5倍高いことが判明しているとしている。また、中国農業科学院の研究グループが2019年、単体では重大な急性毒性起こさない3種類の補助剤をアセタミプリドと混合した場合、原体のみの場合よりミツバチの急性死亡率は有意に高かったとする研究結果を専門誌に発表している。研究グループは、「補助剤の環境安全性評価や非標的種に対する有効成分との相互作用については、さらなる研究が必要である」と強調している。これらの研究は、原体だけの評価は過小評価となり、補助剤を含めた製剤での試験が必要なことを示している。

 ・Frontiers in Public Health, 2018-1-22  ・Environmental Toxicology  ・Phys, 2019-8-5

 カーン大学(フランス)のセラリーニ教授らのグリホサートに関する研究では、グリホサートそのものより補助剤の毒性が大きいという結果を発表している。

 環境省の新たな方針では、野生のハナバチをリスク評価の対象に加えるとして点は評価できるが、原体での評価に拘泥し、より予防原則に立った枠組みを拒否している点は評価できない。毎日は「ネオニコ系農薬を規制強化」と報じているが、実際に規制強化となるのだろうか。


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