最終更新日:2020年7月30日
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2020.07.30 No.1048
■NZ ハチミツの2割からグリホサートを検出
manuka-honey-nz2.jpg / Flickr
ニュージーランド特産のマヌカハニーでも残留グリホサートが検出されたが報告書は銘柄を明記していない(写真はイメージ) / Keith Davenport / Flickr

 ニュージーランド第一次産業省は今年2月、同国産のハチミツの約2割からグリホサートを検出し、一部が同国の残留基準値を超えていたと公表した。報告書は残留グリホサートを検出した銘柄は明らかにしていない。

同省の調査報告書「New Zealand National Chemical Residues Programme Report」の最新版では、検査した2017年/18年産のハチミツ300サンプルの約23%、67サンプルからグリホサートを検出し、そのうち5サンプルがニュージーランドの残留基準値(0.1ppm)を超え、最大値は1.1ppmだったという。有名なマヌカハニーでは98サンプル中17サンプルからグリホサートを検出している。

 この調査では約400種類の農薬について検査しており、ネオニコ系農薬についても検査対象であるが、残留結果については触れられていない。このレポートで詳細が明らかになっているのは、ハチミツの残留グリホサートだけであるが、300サンプルのそれぞれの結果を一覧表で公開している。

 同時に公表された2018年/19年の調査では、全サンプルがマヌカハニーであり、60サンプルからグリホサートが検出されたのは約18%、11サンプルで、最大値は0.088ppmだったという。

 こうした残留値に関して、ニュージーランド食品安全局が摂取量を評価し、ハチミツ中の残留グリホサートには食品安全上の懸念はないと結論した、としている。

 報告書では、ハチミツにグリホサートが残留している原因として、ミツバチが意図しない形で、農業で使用されているグリホサートに曝露したことに起因していると考えられるとしている。しかし、養蜂家はグリホサートが使われた作物、植物からミツバチが採蜜しないようにする現実的な手段がほとんどないとも指摘している。つまり、グリホサートの使用をやめない限り、グリホサートの混入、残留が続く可能性がある、と言外に述べている。

 報告書はまた、ニュージーランド産のハチミツの残留グリホサートのレベルは、国際的に同等ないしはそれ以下だと評価している。しかし、輸出では、消費者の意識や取引リスクが生じる可能性があると指摘している。日本では、ハチミツのグリホサートの残留基準値は、一律規制値0.01ppmが適用される。

 ・Ministry for Primary Industries, 2020-1  ・TVNZ, 2020-7-26

 農民連食品分析センターは先ごろ、この3年間ほどにハチミツの残留農薬の検査結果を公表したが、ハチミツの残留農薬検査結果はほとんど明らかになっていない。近年では、愛媛大学や千葉工業大学の研究グループによるネオニコチノイド系農薬の残留調査結果が公表されている。こうした研究に対して養蜂協会は、ハチミツは安全であると反論している。

 養蜂協会は2018年4月、残留農薬のデータを蓄積するために200項目以上のモニタリングを行っているが、報道にあるような高い数値は見つかっていない、と反論を発表した。しかし、養蜂協会がモニタリングしているというデータを明らかにしておらず、説得力がない。養蜂協会は、安全であると主張するのであれば、モニタリング結果を公開すべきだ。併せて、公的機関による検査と結果の公表も必要だ。

 ・養蜂協会, 2018-4-17
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