インド食品安全基準局(FSSAI)は8月21日、主要な輸入食用作物24品目について、来年1月から輸出国の国家機関が発行した「非遺伝子組み換え作物」証明書を義務化すると発表した。実施は2021年1月1日から。対象となる作物には米、小麦、トウモロコシ、大豆、ナタネ、トマト、ジャガイモなどが含まれている。インドでは、環境団体が輸入食品に遺伝子組み換え品が多く含まれていると訴えていたという。
インド食品安全基準局の今回の命令は、遺伝子組み換え食品に関する規制がまとまるまでの間、非遺伝子組み換え作物のみをインドに輸入することを保証するためのものだという。輸入業者は製品が非遺伝子組み換え原料であり、また遺伝子組み換え成分を含んでいないことを証明する必要があるという。この規則の細則はまだ明らかになっていない。
- 穀類
コメ、小麦、トウモロコシ - 豆類
インゲン豆、大豆、ササゲ - 砂糖原料
ビート(サトウダイコン)、サトウキビ - 油糧原料
ナタネ(Brassica napus)、亜麻種子、サフラワー - 野菜類
アルファルファ、トウガラシ、チコリ、ナス、ジャガイモ、カボチャ、トマト、アブラナ科作物(Brassica rapa) - 果実類
リンゴ、プラム、パパイヤ、パイナップル、メロン
持続可能・ホリスティック農業同盟のカヴィタ・クルガンティさんは、「規則の実施には大がかりなテストが必要になります。インド食品安全基準局は、この命令を実施するために、広範なテストを開始するとともに、市民の支援を受け、遺伝子組み換え疑惑に関連する苦情に対処し、準備を進める必要があります」と述べているという。
農業専門家のデビンダー・シャルマさんは「強力なロビー団体からの圧力にもかかわらず、インド食品安全基準局がこの決定を下したことは驚くべきことです」と述べているという。インドと米国の業界団体はこの間、輸入食品に5%の遺伝子組み換え成分の混入を認めるように求めるキャンペーンを展開しているという。
この米国やインドの業界が要求している混入率「5%」は、日本の遺伝子組み換え混入率と同じである。台湾や韓国が混入率を下げている中、日本は20年前からこの「5%」を、関連業界の圧力の中で「死守」している。
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