最終更新日:2020年9月17日
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■米国 草原性鳥類の減少にネオニコ使用量増大が関係

ミヤマシトド(Zonotrichia leucophrys)=米国・コロラド州 / Tony Morris / Flickr
米国・イリノイ大学などの研究グループは8月10日、ネオニコチノイド系農薬の使用量の増加が、米国の草地における鳥類の個体数減少の要因であり、鳥類の多様性を低下させている可能性があるとする研究結果を専門誌(Nature Sustainability)に発表した。米国では、ネオニコチノイド系農薬は、主に種子処理剤として使用され、指数関数的に使用量が増加しているという。鳥類の個体数に対するネオニコチノイド系農薬の悪影響が、米国中西部、カリフォルニア州南部、北部大草原に集中しているという。
研究グループは、北米鳥類繁殖調査のデータを分析して、2008年から2014年の米国の鳥類に対するネオニコチノイド系農薬の影響を調べた。鳥類の4つのグループ(草原性鳥類、非草原性鳥類、食虫性鳥類、非食虫性鳥類)に分け、郡レベルで個体数の変化と農薬使用量のデータと関連させて分析したとしている。
研究グループによれば、郡単位でみた場合、ネオニコの使用量が100キロ増えると、草原性鳥類の個体数が2.2%減少し、食虫性鳥類では1.6%減少するという。一方、非ネオニコ系農薬の使用では、使用量が100キロ増加することによる影響は草原性鳥類で0.05%、他の3グループは0.03%だったとしている。こうした現象は、累積して後代に及び、08年に100キロのネオニコチノイド系農薬の使用は、14年に9.7%の個体数の減少を生じたと推定している。
ネオニコチノイド系農薬の影響は、直接的には種子処理した作物の種子を鳥が食べることで生じ、また、間接的には、鳥の餌となる昆虫の個体数減少によって生じる可能性があるという。ほんの数粒の種子を消費するだけで、鳥の繁殖や発育に長期的なダメージを与えるには十分だという。
・Nature Sustainability, 2020-8-10 ・University of Illinois, 2020-8-11【関連記事】
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