食品安全委員会は1月19日、米国シンプロット社の遺伝子組み換えジャガイモ2系統について、遺伝子組換え食品等専門調査会の「ヒトの健康を損なうおそれはない」との評価を受け、意見公募は行わず厚労省への通知を決めた。近く厚労省が承認すると思われる。同時にこの遺伝子組み換えジャガイモは飼料としても問題なしと評価し、農水省へ通知を決めた。これまでにシンプロット社の遺伝子組み換えジャガイモは、2系統が食品として承認されている。
コロンビアのパスト高等裁判所は1月13日、政府が計画していたグリホサートの空中散布の再開計画の一時停止を命じた。コカの駆除に力を入れていたコロンビア政府は、トランプ前米国大統領の要求を受けて、昨年12月、21年からのグリホサートの空中散布再開を計画し、環境管理計画(EMP)を策定した。環境管理計画では6つの地域の104の自治体が対象とされていたという。
タンザニアのムケンダ農業相は1月12日、同日以降、同国内での遺伝子組み換え生物(GMO)の試験を中止し、輸入種子の徹底的な検査を命じた、と地元メディアが報じた。タンザニアでは、まだ遺伝子組み換え作物の商業栽培は始まってないが、遺伝子組み換え作物の試験栽培が実施されていた。
厚労省は1月8日付けで、ニュージーランド産ハチミツから一律基準値を超えるグリホサート0.08ppmを検出し全量廃棄・積戻しを指示と公表した。ニュージーランド産ハチミツからの一律基準値を超えるグリホサートの検出は昨年11月に続くもので、今年度2度目となる。ニュージーランドのハチミツの残留基準値は0.1ppmで、同国内であれば問題なしとされるレベルである。
ブラジルのカンピーナス大学の研究グループは12月17日、ブラジル南東部のグリホサートを使用する農業地域の蜂蜜を分析し、約4割からグリホサートとその代謝物質AMPAを検出したと発表した。
英国の環境・食料・農村地域省(DEFRA)は1月8日、アブラムシが媒介するウイルス性テンサイ黄化病の防除に、ネオニコチノイド系農薬チアメトキサム(シンジェンタのクルーザーSB)の緊急使用を承認した。承認にあたり、てん菜の種子処理に限定し、かつ2021年のみの「厳しい条件付き」で承認したとしている。英国ではテンサイ黄化病により大幅な減収が見込まれているという。全英農業者連盟(NFU)とブリティッシュ・シュガーが緊急使用を認めるよう申請していた。フランスは昨年、てん菜のウイルス性テンサイ黄化病防除に21年から3年間に限定して使用を認める法改正を行っている。
メキシコ政府は12月31日、遺伝子組み換えトウモロコシの栽培許可を取り消すとともに、2024年までにグリホサートの使用と遺伝子組み換えトウモロコシの輸入を段階的に禁止する大統領令を発出し官報に掲載した。禁止に反対する農業・農村開発省の抵抗で、昨年9月には禁止を進めていたトレド環境相が「健康上の理由」で辞任していた。この大統領令は、翌日の21年1月1日より施行された。
昨年10月議会が可決した、ペルーにおける遺伝子組み換え作物栽培禁止を、さらに15年間の継続する法案は、大統領が1月5日に署名し成立した。
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