農水省がまとめている輸入小麦の残留農薬検査の20年度前期分が公表された。公表されたデータによると、輸入小麦の8割を占める米国産とカナダ産のほとんどからグリホサートが検出されている。豪州産は2018年に45.5%と半数近くで検出されたが、そのほかの年度では20%前後となっている。年間1万トン前後と輸入量が少ないフランス産は着実に検出率が下がってきている。
イミダクロプリドなど従来のネオニコチノイド系殺虫剤が、ミツバチに有害として規制される動きが世界的に広がる一方で、スルホキサフロルなどがミツバチにやさしいとの触れ込みで続々と承認されてきた。これまでのネオニコチノイド系殺虫剤が神経を興奮させる作用だったが、逆に神経伝達を遮断するタイプのネオニコチノイド系殺虫剤が登場している。
メキシコは昨年12月末に大統領令により、2024年までにグリホサートの段階的禁止と遺伝子組み換えトウモロコシの輸入禁止などを明確にした。この決定に至るまでに、トランプ政権下の米国通商代表部(USTR)と米国環境保護庁(EPA)、バイエル、に業界団体のクロップライフが、グリホサート禁止を葬るために圧力をかけていた工作が明らかになったと、ガーディアン(電子版)が報じている。
カナダ・ゲルフ大学の研究グループは2月19日、地面に穴を掘って営巣するスクウォッシュ・ビー(Eucera pruinosa)が、ネオニコチノイド系イミダクロプリドを土壌に散布した作物に曝露した場合、営巣数が85%減少し、集める花粉の量も大幅に減少し、子孫も89%減少したとサイエンティフィック・リポーツに発表した。研究グループは、土壌散布の殺虫剤の制限が正当化される可能性があるとしている。
インド食品安全基準局(FSSAI)は2月8日、輸入食用作物の非遺伝子組み換え証明制度が3月1日より施行されると明らかにしたと地元紙が報じた。混入許容限度は1%だとしている。この証明制度は昨年8月、今年1月より施行と発表されていた。
農水省は3月3日、遺伝子組み換え作物3品目を承認した。第一種使用が遺伝子組み換えナタネと、花色を操作した遺伝子組み換えコチョウランの2品目であり、遺伝子組み換えカラシナの隔離圃場での試験栽培も承認された。初めての承認となる遺伝子組み換えカラシナは、在来カラシナとの交雑が懸念される。
英国のロザムステッド研究所の研究グループは2月26日、ゲノム編集により発がん性のあるアクリルアミドの前駆体であるアスパラギンの含有量を減らした小麦を作り出したと専門誌に発表した。この低アスパラギン小麦は、アスパラギン合成酵素遺伝子をノックアウトさせたもので、外来遺伝子の挿入はないとしている。商業化には5年から10年かかるとしている。この小麦はアスパラギンが野生型小麦に比べ少ないものの、発芽率が低かったとしている。
カナダのトロント大学などの研究グループは2月3日、環境濃度のネオニコ系農薬イミダクロプリドに暴露されたノドアカハチドリエネルギー代謝が、曝露の2時間以内に25%減少した、と専門誌(サイエンティフィック・リポーツ誌電子版)に発表した。研究グループは、イミダクロプリド曝露後の代謝の変化は、ハチドリの生存に重要な影響を及ぼす可能性があるとしている。ハチドリも受粉媒介生物(ポリネーター)の一つである。
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