佐賀大学などの研究グループは、佐賀平野のトンボと環境中の農薬との関係を調査した結果、トンボの豊富さと殺虫剤に負の関係があり、トンボの豊富さと殺菌剤及び除草剤には関係がないことが分かったと、専門誌に発表した。
欧米でのミツバチの大量死などから、ネオニコチノイド系農薬の生態系への悪影響が明らかになり、欧米を中心に規制が進んでいる。研究が進み、ヒトの健康影響が次第に明らかになってきている。ネオニコチノイド系農薬は昆虫の神経系に作用することで殺虫効果があるとされる。ヒトに対しても同じような神経系への作用が少しずつ明らかになってきているという。こうした悪影響は、ことに子どもにとっては大きな問題となるが、ネオニコチノイド系農薬のヒトへの影響をテーマにした映像作品の制作が始まり、《子どもをネオニコから守ろう!》とクラウドファンディングで支援を募っている。
養鶏飼料中の残留グリホサート濃度が卵の孵化に影響を与え、濃度が高くなるほど孵化率が低下する傾向があるとデンマークのオーフス大学の研究グループがScientific Reports(電子版)発表した。孵化率が低下は、痕跡レベルのグリホサートでも胚の発育に悪影響を及ぼしたためと考えられるとしている。
メキシコ最高裁は10月13日、遺伝子組み換えトウモロコシの栽培禁止命令に対するバイエル(モンサント)、シンジェンタなど企業による異議申立てを棄却した。メキシコ政府も差止命令を支持する準備書面を最高裁に提出していたという。農民者、養蜂家、人権、芸術家、研究者の20団体の代表を含む53人からなる原告が栽培禁止を求めて提訴していた。
岡山大学や農研機構などが開発した穂発芽を遅らすゲノム編集小麦について、文科省は9月22日付けでこのゲノム編集小麦が遺伝子組み換え生物に該当せず、実験計画案通りでも生物多様性に影響を与えないとして屋外試験栽培の計画を「承認」した。岡山大学の研究グループは、ゲノム編集を使った穂発芽耐性大麦の開発も進めている。
岡山大学と農研機構などの研究グループはこのほど、ゲノム編集(Crisper-Cas9)により穂発芽に強い大麦の開発に成功したと発表した。研究グループは、これによりビール醸造に適した品種や発芽に強い品種の開発に貢献するとしている。論文はPlant Biotechnology Journalに発表された。岡山大学は今年から穂発芽耐性のゲノム編集小麦の野外試験を実施すると発表している。
英国・ロザムステッド研究所は8月24日、ゲノム編集で開発した低アスパラギン小麦の野外試験が英国政府より許可されたと発表した。パンなどの加熱時に生ずる発がん性のあるアクリルアミドを減らすことが可能になるとしている。この承認を受けて、9月から播種が始まるという。
都内で購入した「サクラ印ハチミツ」(加藤美蜂園本舗)から残留基準値を超えるグリホサートが検出された。購入した5本のうち3本が基準値(0.01ppm)を超え、そのうちの1本は0.05ppmだったという。週刊新潮が7日発売の号で報じたもので、加藤美蜂園本舗は今年2月、同社社内で違反状態であることが判明していたのも関わらず隠ぺいしていたという。
農水省は2000年、斑点米カメムシ類を植物防疫法の指定有害動植物に指定した。この指定が水田における農薬使用が増えた原因の一つだといわれてきた。『農薬要覧』によれば、2000年の斑点米カメムシ類に対する延防除面積は、栽培面積170万ヘクタールを上回り、前年の150万ヘクタールから200万ヘクタールへと特異的に急増した。これ以降、一時期を除き栽培面積を上回る状態が続いている。2000年以降栽培面積が減少しているにもかかわらず、防除面積は減少していない。
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