最終更新日:2021年3月31日
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2021.03.31 No.1110
■輸入小麦 米国・カナダ産のほとんどからグリホサートを検出
import_wheat_glyphosate_2013-2020pre.png
輸入小麦の残留グリホサート検出率(2013-2020前期)
[画面クリックで拡大]

 農水省がまとめている輸入小麦の残留農薬検査の20年度前期分が公表された。公表されたデータによると、輸入小麦の8割を占める米国産とカナダ産のほとんどからグリホサートが検出されている。豪州産は2018年に45.5%と半数近くで検出されたが、そのほかの年度では20%前後となっている。年間1万トン前後と輸入量が少ないフランス産は着実に検出率が下がってきている。

 厚労省は2017年、グリホサートの残留基準値を、それまでの5ppmから30ppmへと大幅に緩和している。20年前期分で検出されたグリホサートはカナダ産の1.7ppmが最大で、緩和された残留基準値からは「余裕」のレベルとなっている。

 ・農水省
[表1]輸入小麦残留グリホサート検出率推移 [%]
米国 カナダ 豪州
2013 88.3 97.1 19.1 12.5
2014 94.3 97.4 19.5 40.0
2015 93.1 98.8 16.7 35.3
2016 96.2 100.0 14.3 13.3
2017 97.1 100.0 16.2 13.3
2018 98.0 100.0 45.5
2019 95.5 100.0 12.0 5.9
2020 97.4 100.0 22.2
農水省 米麦の残留農薬等の調査結果より作成
※ 2020年は前期分
[表2]検出されたグリホサートの最大値(2020年前期) [ppm]
米国 カナダ 豪州
最大値 1.6 1.7 0.25
農水省 米麦の残留農薬等の調査結果 2020年前期分より作成

 国別に検出された農薬を見ると、米国産では除草剤としてグリホサートのほか2,4−Dとジカンバ除草剤が検出されている。4か国のいずれからも検出されている除草剤クロラピドは、日本では未登録である。

 殺虫剤のクロルピリホスは、その危険性からEUではすでに禁止され、米国でも禁止運動が高まり、主要なメーカーであるコルテバは昨年、生産を中止した。豪州産からはネオニコチノイド系のチアメトキサムが検出されている。また有機リン系のマラチオンも、米国産とカナダ産から検出されている。

[表3]輸入小麦から検出された農薬
農薬 米国 カナダ 豪州
●除草剤
2,4−D 8/77
グリホサート 75/77 40/40 6/27
クロピラリド 61/77 27/40 25/27 4/6
ジカンバ 20/77
●殺虫剤
クロルピリホス 1/77 1/27
クロルピリホスメチル 28/77 7/27
臭素 73/77 33/40 27/27 6/6
チアメトキサム 1/27
デルタメトリン 25/77 1/6
ピペロニルブトキシド 6/27 2/6
ピリミホスメチル 3/6
マラチオン 37/77 22/40
フェニトロチオン 2/27
メトプレン 69/77 4/27

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