最終更新日:2021年4月8日
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2021.04.08 No.1112
■グリホサートに環境ホルモン作用 妊娠中の暴露が多いほど生まれた女児に影響
roundup-mm3.jpg / Flickr
米国で大量の販売されるラウンドアップ / Mike Mozart / Flickr

 米国と欧州の研究グループは3月22日、母親が妊娠中に暴露したグリホサートが多いほど、生まれた女児の肛門性器間距離が男性型に近づき、グリホサートが環境ホルモン(内分泌かく乱物質)であることを示唆していると専門誌(Environmental Pollution)に発表した。

 研究グループは、妊娠中の母親の尿中のグリホサートとその代謝物AMPAの量を調査。生まれた女児の肛門性器間距離との関係を調べた結果、母親が妊娠中に暴露したグリホサートが多いほど、生まれた女児の肛門性器間距離が男性型に近づいていたという。研究グループはこの結果について、グリホサートがヒトに対して内分泌かく乱物質であることを示唆していると指摘している。

 研究グループの一人で米国アイカーン医科大学シャナ・スワン教授は、「グリホサートへの曝露が世界的に増加していることを考えると、より大規模な研究でグリホサートの内分泌系および生殖系への発生影響を評価する必要があります」と述べている。

 ・Environmental Pollution, 2021-3-22  ・Sustainable Pulse, 2021-4-7

 グリホサートが内分泌かく乱物質(環境ホルモン)であるとの研究はこれまでにも発表されている。昨年8月、イタリア・トリノ大学などの研究グループは、グリホサートとチアクロプリドとイミダクロプリドが比較的高い濃度で内分泌かく乱化学物質の可能性を示したと発表した。また、昨年10月には、チリ・タラパカ大学とコロンビア大学メディカルセンターの研究グループが、グリホサートが内分泌かく乱物質(EDCs)の10の特性のうち8つを満たしていると発表している。

 国際がん研究機関(IARC)が2015年、グリホサートについて「おそらく発がん性がある」との評価結果を公表し、米国でのラウンドアップ裁判などでそのがんとの関係が脚光を浴びている。しかし、今回の研究が指摘している内分泌かく乱物質も問題としては大きい。コメの消費が減少する一方でパン食や麺類が増え、小麦などの穀類などに残留するグリホサートを日常的に摂取する機会も増えている。農水省の輸入小麦の残留農薬検査結果では、米国産とカナダ産の輸入小麦は、そのほとんどからグリホサートが検出されている。

import_wheat_glyphosate_2013-2020pre.png
輸入小麦の残留グリホサート検出率(2013-2020前期)
[画面クリックで拡大]

 農民連食品分析センターの調査でも、輸入小麦製品からはグリホサートが検出されている。また、グリーンピースなどの調査でも、有機製品を食べることで体内のグリホサートやネオニコチノイド系農薬が優位に減少することも分かってきている。食品に残留するグリホサートを避けるには、価格の問題はあるとしても、できる限り有機や、残留グリホサートの可能性の低い国産小麦を使った小麦粉やパン・麺類などを選ぶことが良いだろう。

 選ぶ際には表示に注意が必要だ。例えばパンなどの表示で「小麦粉(国内製造)」とある製品は、そのほとんどが輸入小麦を国内で製粉している可能性が高い。稀に国産小麦100%使用を謳いつつ、「小麦粉(国内製造)」と表示しているパンも見かける。「国内製造」が、その原料も含めて国産とは限らないことに注意が必要だ。

bread_label_wheat.jpg
食パンの表示例「小麦粉(国内製造)」とあるが輸入小麦を国内で製粉の可能性が高い

 食品に残留するグリホサートに関しては、残留基準値が大幅に緩和され他ことも大きな問題だ。21017年、厚労省はグリホサートの残留基準値を大幅に緩和した。輸入に大きく依存する穀類の大幅緩和が顕著で、 小麦はそれまでの5ppmから30ppmと6倍に、トウモロコシは1ppmから5ppmと5倍に、そばとライ麦は0.2ppmから30ppmと150倍に緩和されている。小麦に限らず、こうした輸入に依存する穀類やその製品にも注意が必要だ。

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