最終更新日:2021年10月21日
2020年
5月
7月
8月
11月
12月
 07年 08年 09年 10年 11年
 12年 13年 14年 15年 16年
 17年 18年 19年 20年 21年
 22年 23年 24年
2021年10月
12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31
最近の記事
2022.12.29 No.1152
2022.12.25 No.1151
2022.11.30 No.1150
2021年10月の記事
2021.10.21 No.1124
2021.10.18 No.1123
2021.10.17 No.1122
2021.10.10 No.1121
2021.10.07 No.1120
2021年9月の記事
2021.09.15 No.1119
2021年10月

2021.10.21 No.1124
■ネオニコなど殺虫剤がトンボの個体数に影響 佐賀平野の池で調査
akatonbo_1710.jpg
田んぼの畔のアカトンボ

 佐賀大学などの研究グループは、佐賀平野のトンボと環境中の農薬との関係を調査した結果、トンボの豊富さと殺虫剤に負の関係があり、トンボの豊富さと殺菌剤及び除草剤には関係がないことが分かったと、専門誌に発表した。

 研究グループは、佐賀平野の農業地帯と非農業地帯にある4つの池のトンボ目と水生大型植物に注目して調査した結果、8種類の殺虫剤、5種類の除草剤、7種類の殺菌剤を検出した。農業地域で最も多く検出されたのはジノテフランで、その最大値は1リットル当たり320ngだったという。ほかにクロチアニジンやチアメトキサム、アセフェートなどが検出されたとしている。

 これらのアセフェート、クロチアニジン、ジノテフラン、フルベンジアミド、ピメトロジン、チアメトキサムの濃度がトンボ類の豊富さに悪影響を与えているとしている。そして、水生生物への悪影響についてはまだ十分な調査が行われていないと指摘している。

 国立環境研究所の研究グループは2016年、浸透移行性農薬のフィプロニルがネオニコチノイド系農薬のクロチアニジンよりもトンボ類への悪影響が大きいという研究結果を発表していた。佐賀大学の研究ではフィプロニルは検出されなかったとしている。このことについて研究グループは、近年、フィプロニルが佐賀平野の田んぼで使われなくなっていることが理由として考えられるとしている。しかし、室内実験でフィプロニルがアカトンボ属に悪影響を与えていることや、水田土壌や周辺に長期間残留していることから、さらなる研究が必要だとしている。

 ・Environmental Pollution, 2021-10-9  ・国立環境研究所, 2016-3-16
【関連記事】
カテゴリー
よく読まれている記事