国立環境研究所が2020年度の国内農薬出荷量データを公開した。農薬としての除草剤グリホサート系の国内出荷量(原体換算)は前年比108.2%の6325トンと過去最高を記録した。2019年度の出荷量が前年比95%と大きく減少し、出荷量が減少に転じるかと注目されていたが、一転増加した。
国立環境研究所が2020年度の国内農薬出荷量データを公開した。ネオニコチノイド系農薬は前年比101.6%と微増だが、実質的に横ばいであり、減少の気配はみられない。
ネオニコチノイド系農薬の登録数は2020年初めごろをピークに、約40品目減少している。農薬登録数は、ジノテフランなど7種類の“第一世代”のネオニコ系がこの2年で、342品目から271品目と約2割減少している。その一方で、スルホキサフロルなど2015年以降に登録された“第二世代”のネオニコ系が41品目から60品目へ増加している。
台湾衛生福利部食品薬物管理署は、7月5日付けでエースコックの「黄金色の塩ラーメン」から酸化エチレン(エチレンオキシド)33.763ppmを検出したと公表した。今年5月以来、7月12日までに台湾で見つかった酸化エチレンが残留した食品は、即席麺14品目、アイスクリーム2品目(ハーゲンダッツ)の合計16品目となっている。日本では、酸化エチレンはすでに登録が失効した殺虫剤であり、残留基準値は設定されていない。
ワサビの生産が減少し、生ワサビを売りにしている店が困惑していると、ロイターが映像で伝えている。ワサビの生産量は、温暖化による水温上昇や洪水、高齢化などで、2005年の半分までに減少しているという。そのため、生のワサビを売り物にしているそば店は、「ワサビの安定供給ができないということがこれからも続くのであれば、生ワサビをゼロにしないというところで耐えていく」と困惑しているという。
欧州委員会は7月6日、世界的に減少する花粉媒介生物(ポリネーター)対策として、ネオニコチノイド系のクロチアニジンとチアメトキサムの残留基準値について、一部を除き0.01ppmとする改定案をWTOに通知した。欧州委員会はWTOへの通知にあたり、「世界的な環境問題である受粉媒介者の減少に対処するものである」と、花粉媒介生物の減少に対応するものと明記した。
フランスは2017年1月から国や地方自治体、公的機関による緑地や道路維持などで農薬の使用を禁止していたが、今年7月1日から公共の緑地や私有宅地などでの農薬使用禁止を大幅に拡大し施行した。
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