欧州で新しいタイプのネオニコチノイド系農薬スルホキサフロルの屋外使用が禁止され、米国環境保護庁(EPA)が絶滅危惧種保護法により規制見直しを迫られるように、ネオニコチノイド系農薬の規制が強化される方向になってきている。日本では昨年度から農薬再評価を始まっているが進展は明らかになっていない。このような中、アクト・ビヨンド・トラスト(abt)とアジア太平洋資料センター(PARC)は、「じっくり知りたい、ネオニコ系農薬問題の重要論点と日本の農薬規制のあり方」と題した、3人の専門家によるオンラインセミナーを7月3日(日)に開催する。申込みは6月30日まで受け付けている。
アクト・ビヨンド・トラスト(abt)などは、「消費者も「安全」「危険」という結論だけに振り回されないよう、その根拠や論点を理解することが大切」だが「理解することは容易ではない」ので、ネオニコチノイド系農薬が「ヒトを含む生き物や環境にどのような影響をもたらすのかという知見について、それらがどんな研究によって導かれたのか、研究者から改めてじっくりお話を聞く場」を設け、議論を深めたいとしている。
講師は、この間、ネオニコチノイド系農薬について、ミツバチや甘強、ヒトへの影響を研究してこられた、山田敏郎さん(金沢大学名誉教授)、星信彦さん(神戸大学大学院農学研究科教授)、平久美子さん(医師・ネオニコチノイド研究会代表)の3人。
参加申し込みは、専用申込フォームから申し込む。
https://www.actbeyondtrust.org/abt10th-form05/
NPO法人アジア太平洋資料センター(PARC)
アクト・ビヨンド・トラスト(abt)とアジア太平洋資料センター(PARC)は昨年、制作費をクラウドファンディングで募って、ネオニコチノイド系農薬のも大点をわかりやすく解説した16分のショートビデオ『浸透性農薬〈ネオニコチノイド〉はヒトにとって安全か?』を制作し、公開している。
また、2月27日に開催された、このシュートビデオの完成記念のシンポジウム「浸透性農薬〈ネオニコチノイド〉はヒトにとって安全か?」の講演と当日の講師の資料も公開されている。
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